雑記

ぼっちでうろつくのが好きなとうらぶのオタクです。

柚香光さんの退団公演に行く道中の記録

追記:どこかに同じ気持ちの人がいたらいいな、このわくわくした気持ちを後から思い出したいな、という気持ちで投稿したところ、想定外の人数の方に読んでいただいたようです。柚香光さんの影響力のすごさですね...

冒頭にも少し書きましたが、私自身はヅカオタと言えるほど熱い人間ではないです。柚香さんはそういう層の人間に新幹線代を払って遠征してでも生で観たい!と思わせるパワーがある方です。

リアルな友人で宝塚ファンの人もいませんので、用語とか間違ってるものがあるかもしれませんが、寛容なお心で読んでいただけると幸いです。

公演は昨日無事に観られ、一日本場の大劇場を満喫しました。チケット当たって良かった〜一生の思い出です。    以上 R6.2.18追記

 

これを書いているのは兵庫の宝塚大劇場に向かう新幹線の中です。花組のトップスター、柚香光さんの退団公演を観るため、寂しいお財布から新幹線代を捻出し、チケット代わりの友の会カードを握りしめている。

 

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私は宝塚友の会には入っているものの、特定の組やタカラジェンヌさんを熱く応援しているわけではない、ライトな宝塚ファンだ。生徒さんの個人のファンクラブには入っておらず、普段は首都圏に住んでいるため、たまに友の会がチケットを当ててくれると東京の劇場にいそいそ観に行く。ちなみに普段は刀剣乱舞等2.5舞台中心のオタク生活をしている。加州清光くんが好きだ。

 

宝塚を観るきっかけとなったのは、2020年夏公演の「舞台刀剣乱舞 いくさ世の徒花の記憶 灯」に出演されていた七海ひろきさんだ。当時はコロナ禍真っ盛りで、品川ステラボールで行われた当該公演は演者はマウスガード、客席も前列はフェイスシールドを着用、公演内容も当初の内容から変更され、ソーシャルディスタンスが保たれた「科白劇」の形が採られた。

内容の素晴らしさは言葉にならなかったが、とにかく初めて観た元タカラジェンヌの七海さんが綺麗で眩しくて、どうやってステラボールから帰宅したか覚えていない。見目が麗しいのは言うまでもないが、水を打ったような静かな劇場に響く声の美しさと、品があって優雅な仕草、そして終盤の殺陣の鮮やかさには惚れ惚れというより完全にめろめろなった。セットがない舞台だったので、余計に七海さんの眩しさが際立っていたように思う。めろめろってこういうことを言うんだな、といい歳して初めて体感した。

 

七海さんの衝撃の後、七海さんのような麗しいタカラジェンヌしかいない宝塚の舞台が観てみたいと思った。

当時はコロナ禍、ありとあらゆる舞台が幕開けできず、、また突然中止となり、楽しみにしていたミュージカル刀剣乱舞の静かの海のパライソ、源氏双騎、幕末天狼伝のチケットが全て紙ゴミとなってしまい、散々泣いて、落ち込んだ。同じような経験をされた方も多いだろう。つらかったよねあれ。

ツイッターで中止を嘆いていたところ、以前から私が宝塚を気になっていたことを知っていたフォロワーさんが、「今なら花組はいからさんが通るが東京でやっていて、チケットがまだ取れる」と教えてくれた。

今となっては考えられない状況だが、当時はコロナ禍の影響で、公演が始まってもチケットが取れた。平日ならS席が残っていたので、仕事を休んで東京の大劇場にいった。同じような境遇で「はいからさんが通る」が初めての宝塚観劇となった人は、結構いるのではと思う。

優しいフォロワーさんと通りすがりのヅカオタさんに色々教えていただき、初めて東京宝塚大劇場に足を踏み入れた。劇場が豪華だ。シャンデリアあるしホールでは自動演奏のピアノが軽やかに音楽を響かせている。これがあの宝塚か...と思いつつ、着席。「はいからさんが通る」が始まった。

はいからさんが通る」は有名な大正時代が舞台の少女漫画だが、音楽と共に幕が上ると、少女漫画がそのまま三次元になっていた。手足長い!顔が小さい!美しい!とにかく美しい!眩しい!眩しい!眩しい!語彙力は死んだ。

七海さんを観た時にも思ったが、タカラジェンヌさんは声が美しい。ヒロイン紅緒を演じる華優希さんは、まさに鈴が鳴るような可憐な声をしていた。これがヒロイン...生きるヒロイン....

編集長役の瀬戸かずやさん(去年舞台刀剣乱舞にも出てくれて世界に感謝)も編集長のイラストそのもので驚いたし、ブーツカットが世界一似合っていた。

そして主役の柚香光さん。ガラスの仮面の麗様のようだ。緩いカールの金髪が似合っていて、こちらもイラストそのものだった。

柚香さん、華さんを中心に繰り広げられる豪華絢爛な舞台は、眩しくて美しくて、少女漫画の中にいるような、夢の時間だった。

宝塚は一部はお芝居、二部はお芝居とは別物のショーをやることが多いが、はいからさんは通しで一本のお芝居だった。2.5のオタクとしては、そこも初見が観やすいポイントだったと思う。

ストーリーもわかりやすく、紅緒と少尉の恋模様はロマンチックだが、天真爛漫な紅緒が一人の人間として自立し、強く生きる姿に元気をもらえた。

柚香さん演じる少尉はミステリアスで、時には厳しい態度も取るが、何より笑顔がガチで可愛い。あんな風に微笑まれたら全部許してしまう。七海さんに続き、完全にめろめろにされた。隣で観られていたおそらく奥さんに連れてこられたであろう年配の男性も、「素敵だ...」とため息をついてらした。分かるってばよ...

最後のパレードでは羽を背負った柚香さんたちが階段を降りてきて、「テレビで見たことあるやつ!」だった。柚香さんと華さんのデュエットダンスは少尉と紅緒さんの結婚式のようだ...と泣いた。

とにかく初めての宝塚観劇は大満足で、久々に心が満たされて、幸せだった。また観たいと思った。当日は放心状態だったので、後日柚香さんのブロマイドを購入し、部屋に飾って眺めては、この日の幸せを思い出している。かっこよかったなぁ。

はいからさんが通るを最後に、今日まで花組の公演を生で観劇することは叶わなかった。友の会に入って東京周辺での公演に申し込んでいると、組みを選ばずに申し込んでも当選するのは年に数回だ。私が2.5のオタク中心の生活をしている上、仕事の関係で、どうしても土日しか観られないせいでもある。それでは当然当たらないだろという感じだ。一番好きな公演ははいからさんと、和希そらさん主演の「夢千鳥」です。

華さんの退団公演は配信で観させていただいた。配信ありがたい。

そんなこんなで仕事に忙殺された日々を過ごしていたが、ついに柚香さんの退団が発表された。タカラジェンヌさんも人間なので、いつかは退団される。また観たいなーなんて呑気に構えて数年過ごしていたので、「そっか...」と声が出た。大人気の柚香さん、退団公演なんて当たるわけがない。一応友の会の第一抽選に申し込んでみた。比較的兵庫の劇場のほうが東京よりは当たりやすい、と風の噂で聞いたことがあったので、申し込んでみた。ss席があたった。当たるんかい。

前泊したかったが、仕事の都合がどうしてもつかず、始発で劇場に向かっている。

荷造りをしながら、3年以上部屋に飾っている柚香さんのブロマイドを眺めた。「はいからさんが通る」の客席にいた、あの時間は、ただただ幸福だった。コロナ禍で楽しみが何もなくて、心無い人から毎日罵声を浴びせられながら仕事をしていた私にとっては、夢のような時間だった。

今日はあの舞台の中心で輝いていた、柚香さんが観られる、最後のチャンスになるかもしれない。

あの時勧めてくれたフォロワーさん、色々教えてくれた通りすがりのヅカオタさん、きっかけをくれた七海さん、本当に感謝しています。夢の舞台に行ってきます。

 

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